風の切手

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SixTONESを知る

好きな漫画の実写化が決まったとき主演がジャニーズだとがっかりしていました。ちゃんと探せば、役柄に合った、顔もスタイルもよい若手の専業俳優が見つかるはずなのに。実際に映画館に足を運ぶと、いいシーンで小声ではあるものの歓声をあげるファンっぽい何かがいてすっかり興ざめしたこともありました。こんなこと、小学生でもそうそうやらないはずなんだがな。歌番組をつけると、ジャニーズをはじめとするグループアイドルがわらわらと出てきて、お世辞にも歌が上手いとは言えないのに結構な尺を使っていく。電波に本当にのせるべき才能と実力のあるアーティストはもっと他にいるだろうに。正直、ジャニーズは嫌いでした。

で、こんな人間がジャニーズ、しかもデビュー前のJr.のグループを好きになるのだから実に世の中何が起こるかわからない。彼らの名前はSixTONES。しっくすとーんずではなくストーンズと読むことは今すぐ覚えましょう。私が彼らを応援するようになった大きなきっかけは、SixTONESが日本人アーティストとして初めてキャラクターに抜擢されたYouTubeアーティストプロモキャンペーンと、それに伴い制作されたJaponica Styleという彼らのオリジナル曲のMVでした。

今現在YouTubeにはジャニーズJr.チャンネルなるものがあり、人気のある五つのジャニーズJr.グループが、週に一回、それぞれの担当の曜日に企画動画を配信しています。勿論試聴は無料。わーい。彼らを知る前、デビューしたあるジャニーズグループが好きな友達がひとりいて、彼女からこのジャニーズJr.チャンネルの存在を聞いてはいたのですが、前述の通りジャニーズはあまり好きでないので自分から見ることは全くしていなかったし、そもそも見ようという気を起こした事もありませんでした。

さてそんなある日、ジャニーズJr.グループの一つ、SixTONESYouTubeアーティストプロモキャンペーンなるものに選ばれたということを例の彼女から力説されました。何それ? と正直思ったわけですがなんか凄い事らしい。そのキャンペーンに抜擢されたことを本人たちがドッキリで知らされる動画があるそうで、これだけはどうしても見てほしいと言われたからしょうがない、一緒に見てあげました。

ある日突然個室に呼び出された六人。キャンペーンに選ばれたこと、ネット上のみならず都内の各駅でポスターが掲示されること、MVを制作することを知らされていく。一つ、また一つと嬉しい発表を聞くたびに、今までどこか苦労してきていそうなMC役の人が頭を抱えて髪型がボロボロになっていったり、その隣の挙動が不思議な人がジャニーさーん! と叫んでいたり、はたまた嘘だと頑なに信じようとしない人がいたりと、あんまりに素直な反応を見て、よく知らないが、この人たちの道のりは決して順調なものではなかったのだろうなという察しはつきました。動画の最後には、汐留駅に実際に張り出された、自分たちよりずっと大きなSixTONESの巨大広告を見に行く普段着の彼らが映されていました。

そこから、あの人たちのMV、ちょっと見てみたいなあとぼんやり思うようになりました。(この段階でもう沼の縁まで来ている)そして、運命の11月5日、満を持して公開されたJaponica StyleのMVをついに自ら見てしまいました。画面が明るくなり、まず最初に六人が映し出されるわけですが、君たち、この間の動画と同じ人たちなのですかと尋ねたくなるほどに真面目でいい顔を決めていて、思わずふふっとなってしまいました。そして、ちょっと油断したその数秒後、Aメロの歌い出しに入る直前の、「Ah〜」というクリアなハイトーンボイスを聴いてびっくり。こんな、弾けるような高音を歌いこなすジャニーズがいたのか? びっくりしている間にもMVは続いて、入れ代わり立ち代わり、完全に異なる系統の雰囲気をまとう六人が次々に前へ前へと出てきます。物理的に無理でもどうしても全員を目で追いたくなって、大慌てでスマホの画面を凝視していたら、あっという間にMVは終わってしまった。なんだ、これは。変に媚びたところがない。無理をしていない自然体なかっこよさ。そして何より一人一人の個性ありのままを束にして、観ている人の心に殴り込みをかけてくる感じ……。うん。これはいいな! ジャニーズ、なんというものを世間から隠していたんだ。

そしてMVだけでは飽き足らず、六人のことをより知ってみたくなり、おもむろに他にYouTubeにあがっている動画にも手を出す。ここまで読んで下さったSixTONESのファンの皆さんがもしいたらきっとニヤニヤしているかもしれない。そこはもう底なしの沼ですよと。結果はもうお察しの通りです。アイドルとしての派手な衣装を脱いだ彼らがごく普通の、とはいえ顔やスタイルはきれいだが、20代の兄ちゃんたちに戻って素の姿でわいわいとしていて、つい一緒に楽しくなれてしまう動画たちが面白おかしくて、あがっていた動画はすぐに全部見てしまいました。動画を見ていて思ったのが、メンバーのバランスがすごくいい。特徴のある笑い声でファンを笑顔にできるジェシーさん、時折すっ飛んだ天然っぷりを発揮する京本さん、元気印で優しい森本さん、いじられキャラでありつつ時折ストレートなツッコミを入れてくれる高地さん、トークの裏回しをしつつ独特の存在感を放つ松村さん、そして自由な五人を手際よくまとめるMCの田中さん。六つの、デザインや趣の全く異なる歯車たちが、何故かうまいこと噛み合ってくるくると回り、心地よい音が伝わってくるような感じがしました。

ジャニーズファンの中では、特に好きなタレントを担当と呼ぶ習わしがあるようですが、あの六人から一人に絞れなんて随分酷な話じゃないか。みんなちがってみんないいという余りにも有名なことばがあるけれど、まさに彼らにぴったりだと思う。ジャニーズJr.はグループごとのファンクラブがなく、ライブの申し込みや、過去のライブ映像のダイジェスト版を視聴するにはJr.全体のファンクラブに入るしかないのだが、入会の際好きなタレント名を一人だけ書かなくてはならないという謎仕様。しかし、どう頑張っても決められない。この人はこういうところがいい! というポイントが全員に同じだけあるのです。思案の末いたずらに時間だけが流れていったので、結局ルーレットアプリに決めてもらいました。あれ、というかそもそもいつのまにファンクラブに入ってしまう程のファンになっているんだ?

この先、報われるかも分からない中で、前を向いて努力し続けることがどれほどのことのか、ファンになりたての私にはきっと理解しきれていない。ジャニーズJr.というのは立場が不安定で、正式にデビューしない限り、グループ解散や退所をいつ迎えてもおかしくないそうです。Jr.である彼らが今後も活動を続けてくれるのか、デビューしてくれるのか、大丈夫だろうか。不安に思う部分が無いわけではないけど、毎週金曜日に彼らは動画を配信して私たちに元気をくれるし、彼らをよく理解して上手く調理してくれているであろう素晴らしいスタッフのみなさん、そしていい時も悪い時も彼らを支え続ける熱くてちゃんとしたファンがいる。きっとこれが全ての答えであるはずだと信じて!います!

6人の個性がいきいきと光るSixTONESという場所から生まれるカラフルな作品たちが、きちんとしたカタチで世に放たれて、今よりもっと沢山の人の元へ届く、そんな日が必ず来ますように。

単独コンサート、運良く当たったので、すべてのきっかけをくれたかの彼女と共に観に行きます。

 

 

 

 


最後にこれを貼り付けておきます。

彼らの今のいっぱいいっぱいがいっぱい詰まった20分間です。SixTONESを知ることが出来て本当に本当に良かったと感じた瞬間でした。ここまで読んで下さった皆さんどうもありがとう。良かったらみてください。

 

 

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